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 斉藤弘紀さんからの報告

岩手県立大学ソフトウェア情報学部ソフトウェア情報学科を2009年度に卒業後、地元仙台の印刷会社に就職後、1年半ほど働き、青年海外協力隊24年度1次隊、PCインストラクターとして退職参加しました。選考過程の簡単な説明と、主観での感想、ポイント等を述べさせて頂きました。ご参考程度にお読みください。
青年海外協力隊の選考は主に2段階の選考に分かれております。一次選考が書類選考、二次選考が面接となっています。
一次選考はいわゆるエントリーシートのようなもの(記入量は膨大にありますが)と、TOEICのスコア、健康診断書、あとは希望職種ごとの提出課題が総合的に見られます。TOEICのスコアが心配だという学生は多いかと思います。私自身も口に出して言える様な点数ではなかったので、あまり深刻にならなくてもいいかと思います(ただしボーダーのスコアは定められており、300点後半だったかな・・・)。健康診断はけっこう厳しく見られるようです。幸い私は、健康だけは自信があったので問題はありませんでした。ただ、協力隊を目指している方は健康に注意したほうがいいかもしれません。
一次選考が通れば二次選考は面接です。二種類の面接が行われます。一つは人物面接。これは企業でよくある志望動機とか意気込みとか、お約束の面接です。二つ目は技術面接。これも希望職種により内容は変わりますが、専門的な口頭試問が主な内容です。
以上、二つの選考を経てようやく合格となるわけですが、この時点ではまだ正式には協力隊というわけではありません(正式には協力隊候補生という内定のようなもの)。このあとに行われる研修が最終過程になるわけです。
研修は希望職種によって受けなければならない技術補完研修と、協力隊候補生全員が受けなければならない派遣前訓練があります。技術補完研修は自身の技術、知識の底上げ、派遣前訓練は駒ヶ根訓練所、または二本松訓練所で約2ヶ月間、語学と現地事情を学習する期間に費やされます。私の場合はPCの技術補完研修を東京で2週間受けた後に、派遣前訓練へ参加しました。派遣前訓練では語学の毎日(私の場合は訓練言語が英語だったので、英語漬けの日々を送っておりました)でしたが、同じ志を持っている者同士、すごく充実した2ヶ月間だったと思っております。中間テストや最終テストもあり、そのための学習は大変苦しいものになりますが、私を含み、語学はできなかった人ほど伸びますし、知識以上に得難いものを手に入れることができると思います。
この訓練を無事に終え、栄えて青年海外協力隊となるわけです。1次選考から二次選考の合格が分かるのが約半年、それから派遣までは訓練等を含み約半年前後となるわけですが、あっという間の期間です。訓練終了から派遣までは約2週間というかなりタイトな準備期間となっております。新卒で参加してきた方ももちろんいますが、多くは一度社会に出てからの方が多いように思います。もちろん新卒で参加してきている方もいましたので、チャレンジしてみるのもいいかと思います。

私の任国であるエチオピアと、活動地である都市と学校について簡単に説明、感想を述べています。参考程度にどうぞ。

現在、私の任国はアフリカ、エチオピアです。現在エチオピアは経済成長が著しく、私のイメージしていた『大自然・アフリカ』とはちょっと違いました。大きなビルやマンションがあちこちで建設されておりますし、車も多く走っております。一般的に話されている言語は、ローカル言語であるアムハラ語です。英語はある程度の教育を受けてきた人たちであれば話すことができます。
私の活動地域はエチオピア南部諸民族の州都であるアワサという都市です。公的機関も多数立ち並ぶ大規模な都市でもあります。学校施設も数多くあります。私が配属されている学校はタボールハイスクールという州立高校で、5,000人以上の生徒を抱える大規模な中高一貫校です。教員も管理者を含め150人以上です。
私の仕事としては、ITクラスのサポートや、ITルームの管理、教員へのコンピュータスキルの普及等を任されております。前職は教職というわけではなかったので、いざ生徒と向き合うとなかなか大変なことが多いです。生徒は高校生ですから元気が有り余っていますし、文化も言葉も違うわけですから、一筋縄ではいきません。しかし、素直な学生が多く、毎日楽しく過ごしています。
同僚の先生方も個性的な人が多いです。もちろん時間に対してルーズだったり、日本と比べて教育へのモチベーションが低い等色々ありますが、いつもサポートしてくれる優しい同僚がほとんどです。
私はまだ赴任してほとんど経っていないので、まだまだ分からないこと、知らないことがたくさんあります。しかし、それだけこれから楽しみがあると思うと、活動にも熱が入ってきます。苦しいこともたくさんありますが(私の場合、主に語学)、なんとかなるものです。壁に当たったらそのときまた考えればいいだけですし、何とかならなくなったら人に頼ってしまっていいと思います。もし、これを読んでくれている学生の方がいたら、国内国際関係なしに、ちょっと気になったことがあればやってみてください。それでちょっと違うなと思えば、そのときは止めて別の道を考えればいいだけです。
近くにお越しの際は、ぜひエチオピアにお立ち寄りください。インジェラでおもてなしさせて頂きます。


インジェラ
エチオピアの一番ポピュラーな食べ物です。発酵させたクレープ生地の上に
シチューなどをのせて食べます。味は…。
コーヒーセレモニー
エチオピアといえばコーヒー。家に招待されると必ずコーヒーが振舞われます
職場のパソコンルーム
私のオフィスです。最初はほぼ壊れて使い物にならなかったそうですが、先代
のボランティアが頑張ってくれたおかげで、今では15台のパソコンか稼働中。
無線LANもあります。
同僚のメサイ
彼女と組んでプロジェクトを進めていきます。